芳樟について
芳樟(ホウショウ)は、クスノキ科の高木でクスノキの亜変種です。
天然分布は台湾の北部・中部及び東部がもっとも多く、
他に中国南部にもいくらか生育しています。
日本に生育している樟は「樟脳」が採れるが、
芳樟は樟脳がほとんど含まれず、主成分はリナロールです。
芳樟の歴史
明治時代、
台湾では樟脳の採れない芳樟は「臭樟」と呼ばれ敬遠されていました。
しかし明治の末期、
この木から「リナロール」が採れることがわかり、
「芳樟」に改称され、
天然香料の供給源として盛んに栽培されるようになりました。
当時リナロールは高級化粧品にはなくてはならない香料でした。
戦後、曽田香料が台湾から種子を持ち帰り、
鹿児島・開聞町で増産を開始、最盛期には年間3トンを抽出していました。
(日本に自生するものは、すべて樟脳を含むクスノキです。)
芳樟の成分
テルペン系炭化水素 αピネン 0.7%
βピネン 0.33%
βカリオフィレン 0.23%
テルペン系アルコール リナロール 85.3%
αテルピネオール 0.14%
オキシド 1,8シネオール 0.7%
ケトン カンファー 4.6%
施光度 -14.55
屈折率 1.4603
梅姫石けんの芳樟オイルは日本で唯一、芳樟の森を持つ開聞山麓香料園で育てられ、蒸留されます。